皆様、こんにちは!
今回は、食中毒菌の第3弾として「ウェルシュ菌」についてお伝えしたいと思います。
ウェルシュ菌は、カレーやシチューなど家庭でも比較的大量に調理し数日に分けて召し上がる、粘度の高い食品によく起こりやすい食中毒の原因菌です。
ウェルシュ菌は発生件数に対して患者数が多いのが特徴です。
【ウェルシュ菌】
ウェルシュ菌は、大量調理でよく発生するため、件数に対しての患者数がダントツで多いのです。
また、黄色ブドウ球菌と同様、増殖時にエンテロトキシンを産生します。
また、ヒトや動物の糞便、塵やほこり、下水など広領域に分布しています。
特徴① 空気があると増殖しない
ウェルシュ菌による食中毒は、カレーやシチュー、肉じゃがなどを、食べる前に再加熱しなかった場合に多く発生しています。
空気がない場所で増殖するウェルシュ菌は、カレーやシチューなど比較的深い鍋で作り、そのまま放冷することが多いと思いますが、空気がない状態の深鍋の中ではその間に増殖します。
注意! ウェルシュ菌の増殖が進むと、いくら加熱しても破壊できない“芽胞”というものを形成します。
※通常、ウェルシュ菌は空気を嫌うため空気に触れれば死にます。
しかし、この芽胞は空気に触れても死にません。
とにかく、ウェルシュ菌の増殖を抑えて芽胞を形成させないことが、非常に重要です!!!
特徴② 高温かつ長時間の加熱にも耐えられる菌が多い
ウェルシュ菌には、毒素の種類によってA~E型に分けられていますが、食中毒の原因に多いのはA型菌といって、100℃で1~4時間の加熱にも耐えられる菌が多いのです。
大切なことなので、もう一度お伝えします。
ウェルシュ菌は、空気に触れれば死にます!
長時間通気のない状態を避けましょう!
主な症状:水溶性の下痢、腹痛。
一般的に症状は軽く、数日で回復する。
主な原因食品:寸胴や深鍋で調理した食品。食肉や魚介類などタンパク質性の食品で、加熱調理後室温で放冷した食品に多く発生しています。
{予防対策}
1.つけない
ウェルシュ菌は、ヒトや動物の腸内常在菌なので、私たちヒトも汚染源になる可能性があるため、手洗いをしっかり行うことが非常に重要。
2.増やさない
寸胴や深鍋で調理した食品を長時間保存する場合は小分けにして速やかに冷却する。
3.殺菌
どれだけ加熱しても破壊できない「芽胞」というものが形成される前の菌の状態での加熱は食中毒防止に有効なため、食べる直前に加熱する。
カレーやシチューなどは給食でも人気メニューですが、ご家庭で召し上がる機会も多いメニューだと思います。
しっかり対策をとって、安心して美味しく楽しい時間を過ごしましょう!
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