食中毒菌は1つじゃない!対策を取って安心安全なお食事を食べましょう!

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皆様、こんにちは!

9月に入りを感じつつ、まだまだ暑い日が続き、体調を崩しやすい季節になりました。

また、気温の上昇に伴い、食材も傷みやすくなったり食中毒が起こりやすい時期でもあります。

皆さんは、食中毒はどのように起こるのかご存じでしょうか?

そもそも食中毒とは、ウィルスや菌、有害な物質が付着または含有する食品を食べることで下痢や嘔吐、発熱などの様々な症状を引き起こすことを言います。




その原因となる細菌やウィルスは、それぞれ特徴を持っていて、弱点も違います。

アルコール消毒に強いもの真水に弱いもの冷凍しても死なないもの加熱でも死なないもの空気を嫌うもの逆に空気を好むもの。


本当に様々な菌やウィルスが存在します。

ですから、とりあえず加熱すれば大丈夫、消毒さえすれば大丈夫、ではないのです。




そこで、代表的な食中毒菌の特徴や注意点を2回に渡り、ご紹介したいと思います。

今回は、【カンピロバクター】【ノロウィルス】についてお伝えしたいと思います!



それには理由があります。




厚生労働省の「食中毒統計調査」によると、平成21年には代表的な食中毒菌の殆どが発生件数100件未満になっている中で、カンピロバクターとノロウィルスだけは未だ300件前後を推移しています。




そこで、特に注意して頂きたい2つの食中毒原因について今回はお話したいと思います!



【カンピロバクター】

主な原因:加熱が不十分な食肉(特に鶏肉)、井戸水や湧き水、二次汚染





カンピロバクターの特徴は、乾燥に弱く加熱により死滅します。

また、少量の菌でも食中毒の原因となるため、味見程度の量でも発症することがあります!





また、加熱に弱いので国が推奨している中心温度75℃1分以上の加熱で死滅します。

あくまでも、食材の中心温度が75℃以上の状態が1分以上の加熱で死滅するので、75℃のお湯に1分入れただけでは死滅しませんので、注意が必要です。


スーパーやお店など一般に流通している鶏肉(生)の5割前後にカンピロバクターは存在しています。

冷凍しても長期生存が可能なので、なかなか死滅はしません。





とにかく、中心部までしっかり加熱することがポイントです!





鶏のたたきやお刺身など、完全に加熱をしていない食品は避けましょう!

しかし、不十分な加熱の食肉を食べたことが原因で食中毒を起こしてしまう人が後を絶ちません。

自分には食中毒なんて起きないし、最悪でも下痢や嘔吐の症状くらいだったらいいんじゃないか、そんな安易な考えの方もいるかもしれません。

実際には、日本国内でも2015年にカンピロバクターが原因の食中毒で1人死亡しています。

そして稀ではありますが、カンピロバクターが原因で食中毒に罹った人の中には、神経障害を起こして手足に力が入らなくなる『ギランバレー症候群』を発症し治療を要する状態になることもあります。


食中毒は、それほど恐ろしいものなのです。






また、二次感染防止としても、ドリップ(血を含む水分)の処理にも十分注意しましょう。


ドリップが気になって生肉を洗ってから調理する、そんな方もいらっしゃると思います。




しかしながら、生肉を洗うことで広範囲にカンピロバクターやサルモネラ等のバクテリアが飛び散ることが、アメリカの農務省により発表され、生肉は洗わないようにという注意喚起が発表されました。


《対策まとめ》

(1)食肉は十分な加熱をしましょう(中心温度75℃で1分以上)

(2)調理器具は熱湯で消毒し、十分に乾燥させましょう。

(3)保存時や調理時に、肉と他の食材(野菜、果物など)との接触を防ぎましょう
                            (出展:内閣府 食品安全委員会)










【ノロウィルス】


主な原因:カキなどの二枚貝を食べたことによる食品を介したもの
     糞便や嘔吐物を介したヒトからヒトへの感染


ノロウィルスと言えば、“冬”というイメージが強いと思いますが、多発時期が12月~2月がピークというだけで、通年で発生しています。

ノロウィルスの特徴としては、カンピロバクターと同様に少量でも食中毒が起きてしまうこと、また熱や乾燥、そしてアルコール消毒剤にも耐性があるため、とにかく付けない!また手洗いをしっかりして落とすことが重要になります










【対策】

(1)食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止する。

ノロウィルスを失活させるのに有効な対策として調理器具の消毒も大切です。
厚生労働省では以下2つの方法を推奨しています。

①洗剤などで十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素濃度200ppm)に浸ける。
②まな板、包丁、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱をする。






(2)加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱すること。
  (中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱を推奨)







(3)手洗いは手指に付着しているノロウィルスを減らす最も有効な方法です

ハンドソープはノロウィルスを失活させる効果はありませんが、汚れを落とすことによりウィルスを手指から剝れやすくする効果があります。
調理前、食事後、トイレ後、介護などでの汚物処理後など、こまめにしっかり手洗いをすることが最重要になります!!




 今回は【カンピロバクター】【ノロウィルス】についてご紹介しました。

菌やウィルスの特徴を知ってもらうことも大切ですが、食中毒が恐ろしいものであること、また菌やウィルスは1つではないことがお伝えできていれば幸いです。

まだまだジメジメした日が続きますが、食欲の秋には安心安全に美味しいものを沢山食べましょう♪




次回は、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌についてお話したいと思います。

よかったらチェックしてみてください☆


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